親の銀行口座のキャッシュカードは作っておいたほうがいい理由
2017/10/07
いままで元気いっぱいだった両親も、ここ1年ほどでぐっと弱ってきてしまいました。とは言ってもまだまだ元気なのですが。
特に父親は、デイサービスに行く以外はもう外出する事がなくなりました。足腰が弱っているというのもありますが、だんだんと、いろいろなことを受け入れなくなってきているというか。
若干認知が入っていること、歩行が困難になってきていること、を自分でも分かってきているのでしょうか。
その中で大事な用事ができなくなってしまい、今回の騒動が起きた次第です。
それは、「生活費を銀行へ行っておろしてくること。」
騒動の顛末をもとに、皆さんにぜひお伝えしておきたいことを書いておきますね。
1.生活費を銀行がおろさせてくれない!
こう書いちゃうと銀行をディスってるように思われますが、そうではないですからね(笑)。この時代、仕方がないことなのです。
年寄りの中には「キャッシュカード」を持つこと、使うこと、を生理的に嫌う人が居ます。うちは両親とも「そうでした」。
いままで、キャッシュカードなんて、全く使うことがなかったのです。
生活費は、必ず銀行の窓口へ行って、1回1回伝票を書いて。子供からすればマジか!と思いますが、マジです。生まれてこの方、ずっとそうしてきたのです。
生活費の口座は父親の口座ですので、いつも、父親が散歩がてら、窓口のおねーちゃんをからかいたくて?(笑)、毎月通っていたのです。
ところが、前述のように本人がなかなか遠い銀行(バス停で4つほどです)に行けなくなってしまった。
ので、母親が代わりに行ってきます、と。
ここで、生活費なんだから10万円くらいにしておけばよかったのに、母親とすれば、生活費で何度も銀行へ行くのはめんどくさい。
ならば、いっそ、1年分の生活費を、って、なんと、100万円をおろそうとしたのです。
窓口に伝票を持っていったところ、すぐに、会議室に通されます(笑)。銀行の皆さん、振り込め詐欺警戒モードマックスになりました。
さて、会議室に連れて行かれた母親。銀行員の矢継ぎ早の質問攻めにブチ切れます。
使いみち、なぜ父親名義の口座からお金をおろそうとするのか、振込じゃだめなのか、とか、時間にして2時間くらい、入れ代わり立ち代わり、で、父親の名義なんだから父親を連れてこい、とか、そりゃぁ80歳のばーさんはへとへとになってしまうわけです。
結局生活費をおろせず。トボトボと帰ってくるはめになります。。。
もう銀行なんて行きたくない。と。
とわいえ、家の現金も少なくなり、銀行へ行かなければなりません。
2.息子がフォローします
いつもは勝ち気な母親も、とうとう息子に泣きつきます。なんとかしてくれ、と。
なので、キャッシュカードの利便性を話します。
「え?キャッシュカードってそんなに便利なの????」
はい、ここ大事です(笑)。この話、10年以上前から、事あるごとに話し続けているネタです。
本人が元気な頃は、その必要性は全く感じなかったので、息子が言うことなんて、あーはいはい、程度だったんですね。
じゃぁ、キャッシュカード、作りに行こう、と。
やっと、やっとですよ、10年以上?キャッシュカードの利便性を話し続けて、キャッシュカードを作ろう、ということになったのは。
3.キャッシュカードの作成は絶対に本人が必要!
今度は息子と一緒に銀行に行き、父親の口座のキャッシュカードを作りたいと窓口のおねーちゃんに告げます。
はい、また、やってまいりました、奥から、厳しそうな男の人が(笑)。
今回は会議室ではなく、融資などの個別窓口に案内されました。
まず、なぜ、父親の口座のキャッシュカードを作りたいのか、何度も聞かれます。
そして「なぜ、父親本人が銀行に来れないのか」を、これも何度も聞かれます。
何度も何度も同じ話をして、やっと銀行さんにもそれなりの警戒モードを解いてもらって、やっと話が進みます。
んがしかし話は進みません。なぜなら、
・キャッシュカードの作成は、絶対に本人が必要。
・本人が銀行に来れない時は、医師の診断書や後見人が必要。
肉親ですぅ、って言っても、だめ。肉親だから、は、何の理由にもならない。
すると、銀行さんが助け舟を出してくれます。
父親さん、一度キャッシュカードが発行されたことになっていますよ。
ご自宅をもう一度探してみてはいかがですか?
母親の記憶として、父親とキャッシュカードの話をしたことがない、そしてキャッシュカードを見たことがない。
うーん。
だがしかし、銀行さんが言うには、キャッシュカードさえあれば、暗証番号の変更は肉親でも出来る、とのこと。
その際、
・父親の顔写真が入った証明書(今回は障害者手帳を使いました。その他、住基カード、マイナンバーカード、免許証、など)
顔写真付きは必須。
・通帳と届出印
・申請する代理人(今回は母親)の顔写真つき証明書(今回は住基カード)
が、そろえば、変更手続きができます。とのこと。
金銭関係はしっかりしている母親。領収書関係はなんと10年以上、保管し続けています。(汗
あるとすれば、その束の中、とのこと。
早速家に帰って調べることにします。
4.キャッシュカード発見!しかし・・・
さて帰宅し、キャッシュカードを探します。
ダンボール箱いっぱいの紙の山の中からなんとか発掘しました。あった!あったのです!!!未開封の封筒の状態で。そりゃぁだれも見たことがないのは当たり前です。父親は作るだけ作って忘れてたんですね。
上記書類を揃えて、日をあらためて、再度、銀行へ向かいます。
2週間後に再度銀行へ行きました。
前回、ご説明いただいた方の名刺をもらっておけば、話が早かったのですが、その方は見た感じいらっしゃらなかったので、また、前回と同じことの繰り返しです。
説明から始まり、いままでの経緯を説明し・・・ ま、こういう時代ですから、しょうがないです。
しかし、今回の担当さん、顔写真付きの証明書があってもだめだと言います。
これにはだんだんとムカムカが溜まってきます。
前回伺ったときに言われた書類を持ってきたのに、暗証番号の変更を受け付けないとはどういうことか。
担当さんが言うには、「障害者手帳が本人のものか銀行では判断がつかないから、顔写真の本人を連れてこい」ということ。
うーん、銀行さん、公的書類を信用しなかったら、銀行さんはいったいなにを信じるんでしょうね。
こちらもコレ以上の信用書類は出せないですよ、と、押し問答。
ちょっと、上の方に再確認していただけませんか?前回の担当さんは「暗証番号の変更なら出来る」とおっしゃったので。
と、2,3度言ったのですが、奥に戻ろうとせず、いや、出来ない、の一点張り。
さすがにちょっと「アレ」でしたので、仕方がない、ちょっと大きな声を出すことにします。ほんとにしかたがないんですよ、こういう膠着状態の場合。
別に怒るとかそういうのではなく、この窓口はもめていますよ、ということを、奥に座っている方に知ってほしいがために。
すると、すぐに奥から「上司ですが」という人が来ました。
で、経緯をお話すると、はい、このケースであれば暗証番号の変更は可能です。と、即回答。
なので、いちおう、担当さんに「先程から、変更できないの一点張りでしたが、ルールの疎通ができていないのですか」と、しっかり抗議させていただきました。
だって、お互いの30分くらいの時間を担当さんの間違った見識で無駄にしてるんですから。
ただし、変更この場ではできず、かつ、住所の存在を明確にするため、新しいキャッシュカードを、ご自宅に後日書留で送ります、とのこと。
問題ナッシング。
問題だったのは、この担当さんに謝っていただけないことでした。まぁ、いいです。
やっと暗証番号変更届を記入して、一件落着となりました。
あ、そそ、上司の方がお母様がキャッシュカードを使われるのは、このご時世ひじょうにあぶないので、ぜひ、息子さんが代行することを推奨します。と、念をおされました。
5.まとめ
・親が元気なうちにキャッシュカードを作っておこう。
キャッシュカードさえあれば、親が銀行へ行けなくなっても暗証番号の変更は肉親でも出来る。
※この記事は当店が行った銀行の対応であり、どの銀行も同様の対応ということではありません。
銀行名については、こちらも認識の誤解によってご迷惑をおかけしてしまうかもしれないので、伏せさせていただきます。
この記事を参考にお取引されている銀行に確認されることを推奨します。